最終節から、始めました。
そりゃないぜ、TOKYO!!
■11.22 Jリーグ2ndステージ最終節 vs 鳥栖(味スタ)
年間総合3位で迎えた最終節。追いすがるG大坂とは勝点でわずか1差。
ただ、この試合に勝利すれば、自力でのチャンピオンシップ(以下CS)進出が決まる。
文字通りの大一番。選手はもちろん、スタンドのサポーターも、
34分の1の戦いとは到底思えない、極度の緊張感の中にいた。
今シーズンのFC東京は、就任2年目のミステル(フィッカデンティ監督)の下、
堅守に磨きがかかっていた。
1stステージを持ち前の得点力で牽引した武藤の移籍(マインツへ)後は、
さらにその守備力が際立ち、最小得点での勝利を次々にもぎ取っていった。
「ウノ・ゼロ(1-0)」――。イタリア人監督がゆえに、メディアはそう書きたてる。
あたかもそれが、美学であるかのように。
前半を終えて0-0。
いつもと同じ入り、に見えた。
もちろん選手の動きは固く、ぎこちなく、チグハグなプレーも散見された。
ただスコアだけは、「いつもと同じ」感。
きっとそのうち、太田宏介のセットプレーから1点取れるだろう。
そんな根拠なき安堵感が、まだスタンドには蔓延していた。
しかし甘かった。
70分にMF橋本拳人に代わってFW林容平が投入された時点で、ふと我に返る。
「こりゃマズイ」
時間の経過とともにゴール前の密度を濃くしていった鳥栖に対し、
東京は攻め手を失いつつあった。
DFながらリーグ最多のアシスト数を誇る太田のクロス、CK、
そのすべてがことごとく弾き返されていく。
パワープレー? いや、唯一そのターゲットに成り得る平山はベンチ外だ。
林では荷が重過ぎる。
そして無常の笛。
同時刻にキックオフしたG大坂は勝利し、
念願のCS出場権は、東京の手からこぼれ落ちた。